日本語住所のジオコーディング入門
住所から座標を求める仕組みを、粒度の考え方から整理します。住居・街区・町字の違い、公的データの役割、精度の見方を説明します。
目次
- ジオコーディングは、住所を要素に分け、データと照合し、座標を決める三つの段階でできています。
- 座標は「どの粒度で決まったか」が大切です。住居まで決まる場合も、町字の重心にとどまる場合もあります。
- 公的データは地域によって細かさが違うので、精度は応答ごとに確認します。
ジオコーディングは、住所の文字列から緯度経度を求めることです。地図に点を打つ、配送先を近い順に並べる、地域ごとに集計する、といった用途の土台になります。
三つの段階
- 分解:住所を、都道府県・市区町村・町字・番号・建物などに分ける。
- 照合:分けた要素を、公開されている住所データと突き合わせる。
- 座標の決定:一致した層の座標を採る。
- 住所の文字列例:東京都品川区東品川2-2-20
- 分解要素に分ける
- 照合公開データと突き合わせる
- 座標の決定一致した層の代表点を採る
分解が間違うと、照合も座標も間違います。日本語の住所は、区切りの記号が一定でなく、単語の境目もありません。そのため、最初の分解が最も難しい段階です。
座標の粒度
同じ「座標」でも、決まった粒度が違います。
| 粒度 | 意味 |
|---|---|
| 住居 | 建物(住居番号)の位置 |
| 街区 | 街区(番)の代表点 |
| 地番 | 土地(筆)の代表点 |
| 町字 | 町字の重心などの代表点 |
住居の位置まで決まれば、地図上でも配送でも使いやすくなります。町字の重心だけが決まった場合、点は町の中のどこかを指すだけで、建物の位置ではありません。
粒度を伝えずに座標だけを渡すと、実際より正確に見えます。 Kiten は、座標とあわせて、どの粒度で決めたかを返します(精度の段)。
使うデータ
日本には、住所と位置に関する公的なデータがあります。
- デジタル庁のアドレス・ベース・レジストリ(ABR)
- 国土交通省の位置参照情報
- 国土地理院の基盤地図情報
- 日本郵便の郵便番号データ
それぞれ、網羅する範囲と細かさが違います。詳しくは公的住所データ入門を参照してください。
精度の読み方
- 配送の自動処理には、住居または街区まで決まったものだけを使う。
- 地図上の概略表示には、町字の重心でも足りることが多い。
- 座標が決まらなかった場合は、座標を使わず、住所の要素だけを使う。
住所が正しいことと、座標が細かいことは別
住所が確かめられても、その地域の細かいデータが無ければ、座標は町字の代表点になります。住所の確かさは、検証レベルで別に示します。
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