住所の表記ゆれ 完全ガイド
全角・半角、漢数字、ハイフン、旧字体、ヶ・ケ・が、建物名と階。日本語の住所で起きる表記ゆれを種類別に整理し、扱い方を示します。
目次
- 同じ場所の住所でも、書き方は数十通りに分かれます。揺れには種類があり、種類ごとに扱い方が違います。
- 文字を機械的にそろえれば解決するもの(全角・半角など)と、住所の知識が要るもの(略称・旧表記)を分けて考えます。
- どの揺れも「直した事実」を残し、利用者が確かめられるようにします。
住所の入力欄に、同じ場所の住所を何人かに書いてもらうと、ほとんど全員が違う書き方をします。「東京都品川区東品川2-2-20」は、「東京都品川区東品川二丁目2番20号」にも、「品川区東品川2丁目2−20」にもなります。人が読めば同じ場所だと分かりますが、機械が文字列として比べると、すべて別の住所になります。
この記事では、表記ゆれを種類別に整理します。
- 入力人が書いたままの文字列
- 文字の統一全角・半角、数字の種類
- 区切りの統一ハイフン、丁目・番・号
- 要素に分ける都道府県から番地まで
- 補完と記録省略を補い、直した事実を残す
| 入力 | 出力 | 変更 | |
|---|---|---|---|
| 東京都品川区東品川二丁目2番20号 | 東京都品川区東品川2丁目2-20 | 漢数字・全角を算用数字・半角に | |
| 品川区東品川2丁目2−20 | 東京都品川区東品川2丁目2-20 | 都道府県の補完、記号の統一 |
1. 文字の種類の揺れ
最も多く、最も機械的に直せる揺れです。
| 揺れ | 例 |
|---|---|
| 全角・半角 | 2‐20 と 2-20 |
| 数字の種類 | 2 と 二 と 2 |
| 英字の大小・全半角 | ABCビル と ABCビル |
| 空白 | 全角空白・半角空白・空白なし |
Unicode の正規化(NFKC)で、全角・半角の多くはそろいます。ただし、そろえすぎないことが大切です。例えば「タワー」の長音「ー」を、ハイフンとして扱ってはいけません。
2. 区切り記号の揺れ
番地や号を区切る記号は、ハイフン、全角ハイフン、長音、マイナス記号、波ダッシュなど、見た目が似た文字で書かれます。さらに、「2丁目2番20号」と「2-2-20」のように、文字ではなく書き方そのものが違う場合があります。
- 「の」で区切る書き方:
2の2の20 - 「丁目・番・号」を書く書き方:
2丁目2番20号 - 記号で区切る書き方:
2-2-20
どれも、階層(丁目・番・号)が同じなら、同じ住所を指します。階層を読み取ってから比べるのが確実です。
3. 字体の揺れ
人名と同じく、住所の地名にも、新字体・旧字体・異体字があります。
| 例 | 揺れ |
|---|---|
| 崎 | 崎 﨑(たつさき)嵜 |
| 高 | 高 髙(はしごだか) |
| 島 | 島 嶋 嶌 |
| 広 | 広 廣 |
公的なデータには、どの字で登録されているかが決まっています。入力と一致しないときは、データ上の字に合わせます。ただし、似ているから同じとは限りません。置き換えた事実は、必ず残します。
4. ヶ・ケ・が・か
「ヶ」は、地名でよく使われる小さな「ケ」です。一方で、同じ地名が「が」「ケ」「ヶ」で書かれることがあります。「霞が関」「霞ヶ関」「霞ケ関」のように、地域によって公式の表記が異なります。
そのため、どれが正しいかは、住所の位置で決まります。機械的に一つにそろえると、別の地名になることがあります。
5. 階層の省略と補足
- 都道府県の省略:
港区六本木(東京都が無い) - 市区の省略:
大阪市北区の大阪市が無い - 郡の省略:
〇〇郡△△町の〇〇郡が無い - 郵便番号による補足:
106-0032から都道府県・市区が分かる
省略された階層は、郵便番号や後ろの要素から補えることがあります。ただし、補った内容は、利用者に見えるようにします。
6. 建物名・階・部屋
住所の末尾は、最も自由に書かれます。
- 建物名の略称:
六本木ヒルズ森タワーと六本木ヒルズ - 階:
6F6階六階6F - 部屋:
101号室101#101
建物名は、正式名称が一つに決まらないことが多く、機械的な統一に向きません。階や部屋は、番地とは別の要素として扱うと、配送の判断に使えます。
7. 旧表記と通称
合併や町名変更の前の表記、俗称や通称が、住所として書かれます。これは文字の問題ではなく、時間と知識の問題です。公開データに旧表記が無ければ、機械的には直せません。
扱い方の原則
- 文字の揺れは、機械的にそろえる。ただし、長音など壊してはいけない文字を守る。
- 書き方の揺れは、階層を読み取ってから比べる。
- 地名の揺れは、公的データの表記に合わせる。合わせたことを記録する。
- 補った内容・直した内容は、隠さずに返す。
Kiten は、この原則で住所を扱います。直した内容は corrections に記録されます(訂正と補足、正規化)。
記事中の表記の例は、説明のための例です。実在の住所を示すものではありません。
内容に誤りや不足があれば、お知らせください。